バイクは車体とヘルメットさえあれば安全に乗れる、という訳ではありません。バイクは車と違い外気にさらされた状態で運転するので、安全のためにもヘルメット以外に様々な装備を用意する必要があります。そこで本記事ではバイクに乗り始めるときに必要となる装備を紹介していきます。これからバイクに初めて乗る、という初心者の方などはチェックしてみてください。
バイクに必須の装備とあると快適な装備
バイク用品は装備(服装)だけでもヘルメットやグローブ、ジャケットなど数種類あります。理想としては全種類のバイク装備を揃えたいところですが、これからバイクに乗り始める初心者の方が全種類の装備を揃えるのは予算的に難しい場合もあるでしょう。そこで重要なのはバイクに乗る上で必須の装備と、あると快適な装備に分けて考えることです。必須の装備は安全性のために重要な装備で、あると快適な装備はより快適にツーリングを楽しめる装備です。まずは必須の装備を確実に揃えて、あると快適な装備は予算や自身の乗り方と相談しながら徐々に揃えていくと良いでしょう。
バイクに必須の装備について
バイクに乗る上で欠かせない装備としてヘルメット、グローブ、ジャケット、ブーツの4種類が挙げられます。
まずヘルメットですが、日本では公道をバイクで走る際にはヘルメットの装着が法律で義務付けられているので、必須の装備となります。法律上必須なのはもちろんですが、安全面でもヘルメットは重要な存在です。例えば警視庁が発表している二輪車の交通死亡事故統計によると、二輪車死亡事故の致命傷部位で頭部が1位となっています。この結果からも、頭部を守るヘルメットの存在が安全面でどれだけ重要かわかるでしょう。
そんなヘルメットにはフルフェイス、ジェット、システム、ハーフ(半帽)など様々なタイプがあります。安全性を保証する規格であるSGマークが付いているヘルメットであれば、基本的にどのタイプでも問題はありません。ただ、安全性をより重視するなら頭部全体を保護できるフルフェイスタイプがおすすめです。またヘルメットに関しては、適切なサイズの商品を選ぶことも重要です。サイズが大きいヘルメットだと転倒した際の衝撃をうまく吸収できない可能性がありますし、小さいヘルメットは長時間かぶっているのが辛くなります。適切なサイズのヘルメットに出会うためにも、実際にバイク用品店へ行き必ず試着しましょう。ヘルメットは使っているうちに次第に馴染んで緩くなるので、新品を買う場合は少しきつめのサイズを選ぶのがおすすめです。
グローブやブーツもバイクに乗る上で必須の装備です。グローブを付けなくても運転できますが、グローブがあれば転倒した際の怪我のリスクを軽減できます。また素手での運転だと汗や雨でグリップ操作を誤る恐れがあるので、誤操作による事故のリスクも軽減できます。グローブを選ぶ際は手の甲の部分にプロテクターが入った安全性の高いタイプを選ぶのがおすすめです。グローブを付けたままブレーキやクラッチを操作することも考慮して、指が動かしやすいストレッチ性に優れたタイプを選ぶのも大切です。予算に余裕があるなら通気性の良い春夏用、防寒性の高い秋冬用の2種類を揃えましょう。
ブーツは足首や足全体を保護するためにも重要なのでバイク用のブーツを選びましょう。バイク用のブーツは足を保護するため、ほとんどがハイカットになっています。またバイク用のブーツには、頻繁にシフトペダルを操作する左足の甲が強化されていたり、つま先やくるぶしにプロテクターが入っていたり様々な特徴があります。バイク用ブーツの特徴を押さえていれば、あとは普段の靴選びと同様の方法で選んで問題ありません。
最後に紹介するバイクに必須の装備はジャケットです。ジャケットの中でもバイク専用ジャケットには、転倒時に身体を守る役割や走行風の負担を軽減する役割などがあります。バイク専用ジャケットを選ぶ際は、転倒や事故時の衝撃を軽減してくれるプロテクターを内蔵したタイプがおすすめです。上半身でプロテクターを装着できる箇所は肩、肘、背中、胸部の4種類となります。この中で最も重要なのが胸部プロテクターです。なぜなら二輪車死亡事故の致命傷部位は、胸部が頭部に次いで多いからです。ですからバイク専用ジャケットを選ぶ場合は、胸部プロテクターが内蔵されているかは必ず確認しましょう。
あると快適な装備について
あると快適な装備の1つがバイク用のパンツです。基本的に春夏に街中を軽く走るだけなら、ジーンズやレザーパンツなどで十分です。ただし、秋冬など寒い時期にバイクに乗る場合は、防寒性の高いバイク用パンツを着用したほうが快適に乗れます。防寒性の高いバイク用パンツには1枚で履けるタイプと、ジーンズなどの上から履くオーバーパンツタイプの2種類があります。そして防寒性を重視するならオーバーパンツタイプがおすすめです。オーバーパンツはどうしても着ぶくれ感が出てしまいますが、最近はシルエットがスッキリしたオーバーパンツもあります。買い物などちょっとした移動に使う場合は1枚で履けるタイプでも十分ですが、長時間のツーリングに使うなら防寒性の高いオーバーパンツタイプが良いでしょう。
冬場にバイクに乗る際はインナーウェアもあると更に快適になります。ここでいうインナーウェアは空気の層を作って保温性を高める機能や、汗を熱に変換する機能などを備えた高機能インナーウェアのことです。高機能インナーウェアはアパレルブランドから多数販売されていますが、バイク用のインナーウェアもあるので、そちらをおすすめします。バイク用のインナーウェアには保温性・防風性に優れているだけでなく、バイクに乗った時の姿勢を考慮して背中が長めに作られているものもあります。また首周りからの風の侵入を防げる、ネックウォーマーと一体化したタイプのインナーウェアもあるので、これからインナーウェアを買う方はバイク用がおすすめです。
安全第一で装備を整えよう
バイクに乗り始めるときに必要な装備はヘルメットやグローブ、ジャケットなど数多く存在します。ただし、バイク購入直後に今回紹介した装備の全てを揃える必要はありません。装備に予算を割けない方もいるでしょうから、ヘルメットやバイク専用ジャケットなど安全面で重要度の高い装備から揃えていきましょう。装備を選ぶ際もデザインではなく、安全性を第一に選びましょう。