趣味のひとつとして、キャンプを始めてみたいという人も多いのではないでしょうか。キャンプは自然の中で過ごしながら、普段の忙しい生活では見落としてしまう星空や風景、自然の音や空気をダイレクトに感じられます。
また、普段とは異なる環境で過ごすため、旅行気分を味わえるのもキャンプの魅力です。
しかし、キャンプ初心者にとっては、「キャンプをしてみたいけど何から揃えていいか分からない」というのが最初の課題といえるでしょう。
そこで今回は、キャンプ初心者が揃えるべき持ち物を、デイキャンプと宿泊キャンプに分けてご紹介します。キャンプをより楽しむグッズも一緒に紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
キャンプ初心者が揃えるべき持ち物
キャンプ初心者が最初に揃えるべき物は何でしょうか。キャンプは持ち物が多いため、思っているよりも準備をするものがあります。
「キャンプ場に着いて荷物がないことに気づいた」「準備をしたが車に入らなかった」ということも、キャンプ初心者がやりがちな失敗です。何が必要で何が不要かを分けなければ、結果的に何を持って行くべきか悩んでしまいます。
ここでは、キャンプ初心者が揃えるべき持ち物を、3つの場面別に分けてご紹介していきます。
- デイキャンプで揃えるべき物
- 料理をする際に揃えるべき物
- 宿泊キャンプで揃えるべき物
デイキャンプで揃えるべき持ち物
キャンプ初心者はいきなり宿泊をせずに、まずはデイキャンプから慣れていくのがおすすめです。デイキャンプで揃えた持ち物は、宿泊キャンプをする際にもそのまま使えます。
キャンプ道具を調べているうちに、どんどん良い物が欲しくなってしまうかもしれません。はじめから高価な物を選ぶのも良いですが、最初は安いものを購入したり、レンタルしたりするのもおすすめです。
最近では質が良くて値段も手頃なものが多く販売されているので、ブランドにこだわりすぎずに選んでいきましょう。デイキャンプでは以下の3つが必要です。
- テント・ターンテント
- テーブルやイス
- 虫よけスプレー
ひとつずつ説明していきましょう。
テント・タープテント
キャンプに必要なものといえば、忘れてはいけないのがテントです。
宿泊するときに使われるイメージのテントですが、デイキャンプ時には休憩や着替え場所としても使用できます。キャンプ以外にもピクニックや海水浴など、さまざまなシーンで使えるため、ひとつ持っていると便利です。
また、タープテントもあるといいでしょう。テントが寝室とすれば、タープテントはリビングのような役割があります。日差しや雨を避けながら、タープの下で食事をしたりくつろいだりすることが可能です。
しかし、キャンプ初心者の一番の苦労ポイントといえば、テント・タープテントの設営が挙げられます。テント設営に手こずってしまうと、「もうキャンプをしたくない」という思いに陥ってしまうかもしれません。最初は設営が簡単なワンタッチ式テントから始めてみましょう。
テントは大きいため、収納場所を確保する必要があります。収納スペースがない場合や、頻繁にキャンプをしない場合には、レンタルを検討するのもおすすめです。
テーブルやイス
食事やくつろぐ際に欠かせないのが、テーブルとイスです。購入する場合には、コンパクトで折りたためるタイプがおすすめ。車内でもかさばらず、持ち運びしやすいものを選びましょう。
テーブルには、耐熱性のあるステンレス製や軽量のアルミ製、木製のテーブルなど、さまざまな素材があります。木製テーブルは自然に馴染むデザインで使っているうちに味が出てきますが、重量があるので事前に重さを調べる必要があります。
布製のテーブルはコンパクトで持ち運びに便利ですが、ステンレス製やアルミ製などよりは安定感が劣るため、使用の際には注意が必要です。
イスは安定感や座り心地を追求すると値段が高くなります。キャンプ用のイスは、ピクニックや運動会、庭でくつろぐ際など幅広いシーンで使えるため、長期的に考えて壊れにくい丈夫なものを購入してもいいかもしれません。
虫よけスプレー
虫よけスプレーなど、虫よけ対策は忘れずに行いましょう。キャンプ場は緑が多いため、夏だけでなくどの季節でも虫がいます。蚊やアブ、ハチやムカデもいるため、刺されてしまうと大変です。
虫よけ対策には携帯に便利な虫よけスプレー、携帯用虫よけ、虫よけリングなどがあります。虫よけキャンドルやランタンもあるので、万全の対策でキャンプをしましょう。
虫よけ対策として、服装も重要です。半袖半ズボンは肌を露出するため、虫に刺されやすくなります。できれば長袖長ズボンで過ごすのがおすすめですが、真夏のキャンプでは熱中症になりかねません。日中は半袖半ズボンで虫よけスプレーをかけ、気温が下がってきたら長袖や長ズボンに着替えましょう。
料理をする際に揃えるべき持ち物
キャンプの楽しみのひとつが、自然の中で食べる食事です。バーベキューやカレーなど、料理をする際には以下の持ち物を揃えましょう。
- バーベキューコンロ
- 食器やカトラリー類
- クーラーボックス
バーベキューコンロ
キャンプでの食事といえば、みんなで楽しめるバーベキューです。バーベキューコンロには、主に3つのタイプがあります。
■スタンダードタイプ
■ガーデンタイプ
■焚火台タイプ
スタンダードタイプは、「バーベキューコンロ」と聞いて思い浮かべるような定番のタイプです。四角いコンロに脚がついており、みんなで囲みながらバーベキューが楽しめます。卓上タイプを選べば、座りながらバーベキューをすることも可能です。
ガーデンタイプは、一度でたくさん調理ができますが、一般的にはガーデンパーティー向けに使われます。重量があるため持ち運びも難しく、キャンプ向きではありません。
バーベキューと焚き火の両方を楽しめるのが焚火台タイプです。焼き網や五徳をつけて調理をし、外すと焚き火ができます。
バーベキューコンロは初心者の場合、買わずにレンタルするのもおすすめです。キャンプに慣れたタイミングで、バーベキューコンロを購入するといいでしょう。
また、バーベキューコンロの使用とともに、カセットコンロを併用するのもおすすめ。バーベキューコンロでメインのお肉の調理をしている間、カセットコンロでサイド料理を作れます。朝食のスープ作りなど簡単な料理や、お湯を沸かすときにも使えて便利です。
食器やカトラリー類
食事に必要な食器やカトラリー類は、家にあるお皿やマグカップを使っても問題ありません。しかし、テントやバーベキューコンロなど他のキャンプ道具よりも安いため、気に入ったものを購入してもいいでしょう。100円ショップでも、キャンプ向けの食器やカトラリー類が販売されています。
アルミやプラスチックなどさまざまな種類がありますが、おすすめはシリコンタイプです。シリコンタイプには折りたためるものもあり、コンパクトに持ち運びができます。
「便利だから紙コップや紙皿でいいかな」と思われますが、あまりおすすめはしません。なぜなら風で飛ばされてしまうだけでなく、帰りにゴミとして持ち帰る必要があるからです。
キャンプ場によっては、出したゴミをすべて持ち帰らなければいけないところもあるため、紙製のカトラリーは荷物になってしまいます。
クーラーボックス
クーラーボックスもキャンプには必要なアイテムです。飲み物や食材を保管するために欠かせません。夏場は氷や凍らした飲み物を入れられるため、食中毒や熱中症対策にもおすすめです。
頑丈なクーラーボックスはテーブルやイス代わりにもなります。キャスターやハンドルが付いているものを選ぶと持ち運びもしやすいため、クーラーボックスを選ぶ際の参考にしてみてください。
宿泊キャンプで揃えるべき持ち物
デイキャンプに慣れたところで、続いてはいよいよ宿泊キャンプです。宿泊キャンプは、デイキャンプで揃えた、以下のもの以外にも必要な物があります。
■テント・タープテント
■テーブルやイス
■虫よけスプレー
■バーベキューコンロ
■食器やカトラリー類
■クーラーボックス
ここからは、宿泊キャンプで揃えておきたい物について、詳しく解説していきましょう。
寝具や防寒具
宿泊キャンプに必要なものは、寝具と防寒具です。デイキャンプには必要なかったものですが、宿泊では欠かせないアイテムです。寝具がなかったり適当に選んだりすると、ゴツゴツとした地面の上で寝ることになります。寝具のせいでキャンプに嫌なイメージを持ってしまうこともあるため、寝具は慎重に選びましょう。
シュラフ(寝袋)は、封筒型とマミー型があります。封筒型は足元の解放感があり、マミー型は足元まですっぽりと収まるタイプです。夏場やシュラフに慣れていない人は封筒型、秋〜冬場にはマミー型を選ぶと良いでしょう。
シュラフとともにマットも大切なアイテムです。マットがなければ、石や砂のゴツゴツが気になったり、地面の冷気が直に伝わったりするため、快適に寝ることができません。
マットには主に以下の3種類があります。
■インフレーターマット
■エアーマット
■ウレタンマット
インフレーターマットは、バルブを開けると自動で空気が入ります。テントの中に入れておけば、ほぼ自動的に膨らんでくれるので便利です。厚みが十分にあり断熱性もあるため、寝心地が良いのが特徴。宿泊キャンプに慣れない初心者にはおすすめのマットです。片付けをする際は、空気を抜きながら畳んでいきます。やや時間がかかるため、初心者は練習が必要でしょう。
エアーマットはインフレーターマットとは反対に、空気を入れるのに時間がかかります。しかし、コンパクトに収納でき、寝心地も十分です。
ウレタンマットは価格も手頃なものが多く、軽くて持ち運びしやすいため、マットを試したいキャンプ初心者におすすめです。マットはテント内に収まるサイズで、身長よりも大きいサイズを選びましょう。持ち運びができる重さであることも確認しておくと安心です。
夏でも朝晩は冷えるので、防寒具を忘れないようにしましょう。コンパクトに畳める上着や、ブランケットも持参してくださいね。
ランタン・懐中電灯
キャンプ場の朝と夜はとても暗いため、ランタンや懐中電灯が必要です。ランタンには、主にガスランタン、ガソリンランタン、LEDランタンがあります。中でもキャンプ初心者には安全に使えるLEDタイプがおすすめです。
ランタンは、2〜3個あると安心です。タープテント、卓上、テント内に設置をすれば、暗くなる夜でも十分に明るさを確保できます。荷物の整理をする際にもランタンがあると便利です。
懐中電灯も忘れずに準備しましょう。トイレがテントから離れているため、足元を照らすのに必要です。
キャンプ初心者でもより楽しめる持ち物
キャンプ初心者は、テント設営やバーベキューの準備などで忙しいですが、合間にはアウトドアをしっかりと楽しみたいものです。
初心者でも楽しめる持ち物は以下の3つです。
- コーヒーグッズ
- 遊び道具
- スピーカー
ひとつずつ見ていきましょう。
コーヒーグッズ
キャンプでの醍醐味ともいえるのが、自然を感じながらコーヒーを飲むことではないでしょうか。デイキャンプであれば食後に、宿泊キャンプであれば朝日が昇るのを見ながら飲むことができます。
コーヒーグッズには、ハンドドリップ、コーヒープレス、パーコレーダーがあります。自分に合った道具を使うのがおすすめですが、キャンプにはパーコレーダーが最適です。
パーコレーターは、豆と水を直接火にかけてコーヒーを抽出します。ドリッパーが必要なく、容量が大きいものを選べば数人分を一気に淹れられるため、家族やグループでのキャンプにも便利です。
パーコレーター自体をケトル代わりに使用することも可能なので、ケトルを別で準備をする必要がありません。
遊び道具
子供と一緒にキャンプをする場合には、遊び道具を準備しておくと飽きずに楽しめるでしょう。せっかく自然の中にいるので、体を動かせるものを準備しておくのがおすすめです。
簡単にできるのは、大人も楽しめるバドミントンやフリスビー。シャボン玉や水鉄砲なども楽しく遊べます。しかし、遊ぶ際には周囲への配慮を忘れないようにしてください。
スピーカー
自然の中で聴く音楽もまた格別なものです。スマホのスピーカーもいいですが、せっかくならアウトドア用のBluetoothスピーカーがおすすめです。
キャンプ場では突然の雨や風でスピーカーが壊れないためにも、防水・防塵性のあるものを選びましょう。さらに、持ち運びしやすいものや連続再生時間なども重要です。最近はデザイン性と機能性を持ち合わせたものが多いため、気に入ったスピーカーを選びましょう。
ただし、音量には十分に注意してください。キャンプ場を利用するのは自分たちだけではありません。大音量で音楽をかけたり、音楽に合わせて騒いだりするのはマナー違反です。周囲に迷惑をかけない程度の音量にし、楽しい時間にしましょう。
まとめ
今回はキャンプ初心者に向けて、デイキャンプと宿泊キャンプに必要な持ち物をご紹介しました。デイキャンプではテントやテーブル・イスなどが必要になりますが、宿泊キャンプではそれらに加えて寝袋やマットが必要となります。
キャンプは日常生活と違う環境のため、不便さを感じることも多いです。そのため、キャンプに必要なものが揃っていないと、さらに不便さを感じることになってしまうかもしれません。
キャンプ初心者の人は、まずは必要最低限のものを揃えて、デイキャンプから慣れていくのがおすすめです。デイキャンプでテント設営や食事の準備に慣れたら、宿泊キャンプに移っていくとさらに楽しめるでしょう。
キャンプでは、いつもとは違う自然の中で、食事をしたりテントで眠ったりといった非日常を味わえるところが魅力です。家族やグループでわいわいと楽しんだり、一人の時間を持ったりと、日常の忙しさを忘れられます。
キャンプは事前に準備が必要なものがたくさんありますが、道具を揃えれば初心者でもキャンプを楽しむことができます。自然の音に耳を傾けてリラックスした時間を過ごせるキャンプ。まずは道具を揃えて、最初の一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。