迫力のある3D映像が楽しめるとあって、ますます人気が出ているのがVRゴーグルです。しかし、種類も豊富で何を選べばよいのか、よく分からないという人も多いのではないでしょうか。そこで、VRゴーグルの選ぶポイントとともに、おすすめのVRゴーグルの特徴を紹介していきます。VRゴーグル選びの参考にしてみてはいかがでしょうか。
VRゴーグルの種類
VRゴーグルの「VR」とは「Virtual Reality(バーチャルリアリティ)」の略称です。VRゴーグルを頭部に装着し特殊なレンズを通すことで、バーチャルな映像をあたかも現実のものであるかのように楽しむことができます。
一口にVRゴーグルといっても大きく分けて「据え置き型」「モバイル型」「スタンドアローン型」の3種類があります。「据え置き型」はVRゴーグルをパソコンに接続して使用するタイプです。「据え置き型」は解像度の高い映像を楽しむことができます。ただし、接続して使うため、狭い部屋で大きく動くゲームをしたい場合はコードが絡まってしまう心配があるでしょう。ただし、Bluetoothを使ってパソコンと接続できるコントローラーが付いているタイプもあります。これなら配線せずに使用することが可能です。
VRゴーグルにスマホを装着して使用するタイプは「モバイル型」です。パソコンに接続するタイプよりも性能は落ちてしまいますが、配線の必要がないためコードを気にせず使えるというメリットがあります。また、モバイル型は価格も安く数千円程度のものも多く手ごろです。VRゴーグルがどのようなものか、まずは試してみたいという人によいでしょう。
「スタンドアローン型」はパソコンにつないだり、スマホに装着したりしなくても単体で使用できるタイプです。「モバイル型」よりも使い勝手がよく、「据え置き型」よりも高額ではないというメリットがあります。ただし、電源に接続しながら使うことができないため、内蔵バッテリーで動きすことになります。そのため、長時間使うことができません。
VRゴーグルの選び方
VRゴーグルはさまざまなタイプのものが出ています。そのため、どれを選んだらよいのか分からないという人も多いのではないでしょうか。VRゴーグルには選ぶポイントは主に5つあります。
1つ目のポイントは「自分自身が使用しているデバイスに対応しているかどうか」です。VRゴーグルはパソコンやスマホなどに接続して使用します。使うデバイスに合わせたVRゴーグルを使うようにしましょう。
たとえば、スマホでパソコン用のVRゴーグルを使用することはできません。スマホを使用したいのであれば、スマホ用のVRゴーグルを購入する必要があるのです。また、スマホ用のVRゴーグルであれば、どのようなスマホでも使えるわけではありません。スマホ用のVRゴーグルは装着して使用します。そのため、スマホのサイズが大きすぎると装着することが不可能です。スマホのサイズが4~6.5インチであれば、ほとんどのモバイル型のVRゴーグルが使用できるでしょう。
同様にパソコン用のVRゴーグルもパソコンの機種によっては使えないものがあります。パソコンの場合はサイズではなくスペックが合うかどうかがポイントです。各メーカーが販売しているVRゴーグルの公式サイトにアクセスすれば、パソコンのテストができたり、確認ツールをダウンロードできたりします。購入する前にチェックしてみるとよいでしょう。
2つ目のポイントは「長時間、VRゴーグルを装着していても、頭部や首が痛くならないか」です。基本的にVRゴーグルは映画を見たりゲームをしたりするために使います。そのため、自然と長時間頭部に装着することになります。VRゴーグルが自分の頭に合っていないと、使用中に痛くなったり疲れたりする恐れがあるのです。使い終わった後、装着箇所に跡が付くこともあるでしょう。
これらを防ぐためには、接触する部分にクッションなど皮膚に優しい素材が使われていたり、頭の大きさに合わせてヘッドセットベルトの長さを調整できたりするタイプを選ぶようにしましょう。
本体の重量がどのぐらいあるのかも重要です。VRゴーグルが重すぎると、VRゴーグルの首に負担がかかり疲れやすくなるからです。一般的に頭部に700グラム以上のものを長時間着けていると、首への負担が大きくなり肩こりの原因になると言われています。スマホを装着するタイプのものはスマホの重さも考えて、総重量がどのぐらいになるのかを確認しておきましょう。さらに、モバイル型の場合はスマホを装着すると重心が大きく変わる可能性もあるのです。重心がどちらかに傾いていると、気分が悪くなる恐れがあります。そのため、装着した状態で頭の重心がどのようになるのかも体感しておくとよいでしょう。
また、メガネをかけているかどうかでも装着感は違ってきます。ピント調整や瞳孔間距離調整機能が付いているVRゴーグルの場合、メガネをかけなくても楽しめるようになっています。しかし、乱視が強い人はメガネをかけたまま、使いたいという人もいるでしょう。そうした場合、メガネをかけた状態でVRゴーグルを装着することができるかを確かめることが大切です。たとえば、フチが大きなメガネをかけている人はVRゴーグルのタイプによっては、装着できない場合もあるからです。ただ単に装着できるかどうかだけでなく、VRゴーグルにメガネが圧迫されて痛くないか、着け心地がよいかも見ましょう。
ちなみに、メガネをかけた人がVRゴーグルを装着するにはコツがあります。まずメガネを外します。次にVRゴーグルのなかにメガネを入れ込みましょう。そして、その状態のままメガネをかけながら、VRゴーグルを装着するのです。すると、VRゴーグルのなかでメガネがずれることを防ぐことができます。
3つ目のポイントは「視野角が適切かどうか」です。視野角とは首を固定したままで、VRゴーグルを装着した状態で見ることができる範囲のことを言います。視野角が広いと見ることが可能な範囲も広いと言えます。見える範囲が狭いと、臨場感ある映像を楽しむことができません。発売されているVRゴーグルのなかでも一番多い範囲が90~120度です。100度未満は視野角が狭いと考えてよいでしょう。また、乱視の人にとってはピントを調整する機能があるかどうかも重要です。焦点距離を調整できる機能があるVRゴーグルのほうがよりはっきりと動画を楽しむことができるでしょう。
4つ目のポイントは「ヘッドフォンが内蔵されているかどうか」です。なかには、VRゴーグル本体にヘッドフォンが内蔵されているタイプがあります。バーチャルリアリティの世界をより現実に近づけるためには、視覚だけでなく聴覚も大切です。音がよいほうがバーチャルリアリティの世界により入り込むことができます。ヘッドフォンの性能がよいものも数多く出ています。もちろん、別途ヘッドフォンを購入してVRゴーグルに接続することも可能ですが、コードの配線が邪魔になります。また、ヘッドフォンの分だけ重量が増えてしまい、頭部にかかる負担も大きくなるでしょう。負担を軽くし音にもこだわりたいのであれば、最初からヘッドフォンが内蔵されているタイプをおすすめします。
5つ目のポイントは「どのぐらいの金額までであれば出せるか」です。VRゴーグルの値段には幅があります。モバイル型の場合は1万円程度のものもありますが、1000~3000円が相場で安く入手することができます。据え置き型の場合は3~4万円程度が相場です。モバイル型と比べると高額になりますが、その分、解像度の高い動画を見ることができます。スタンドアローン型は2万円程度が相場です。ポジショントラッキング機能付VRゴーグルの場合は5~8万円程度です。ポジショントラッキング機能とは身体の動きに合わせてVRを一致させることができる機能のことを言います。頭の動きに反応する「3Dof」と頭と身体の動きに反応する「6Dof」の2種類があります。高額ですが、より現実に近い動画を楽しむことが可能です。さらに、最新式で高性能なタイプは10万を軽く超えるものもあります。周辺機器をそろえると、さらに数千円から数万円プラスアルファされます。
とりあえずVRゴーグルを体験してみたいという初心者は安価なモバイル型がおすすめです。よりいっそう臨場感を求めたいのであれば、据え置き型やポジショントラッキング機能付VRゴーグルをおすすめします。このように、どのようなことに利用するのかも考えながら選ぶとよいでしょう。
おすすめVRゴーグル4選
VRゴーグルの最新のモデル4選の特徴を解説していきます。いずれもVRの世界を最大限に楽しめる高機能のものばかりです。
Valve Index
「Valve Index」は片眼1440×1600(両目で2880×1600)、フルRGBLCDのため、非常に細かく美しい映像を見ることができます。さらに、広い視野角が魅力です。視野角は光学部品の素材を使用し、また配置場所を工夫したことで130度まで見ることが可能です。内蔵されているスピーカーは高音質で、しかもヘッドフォンが直接耳に触れない設計になっているため、長時間使用していても疲れることがありません。付属のコントローラーはフィット感抜群で内蔵の87個のセンサーで指の状態や握力を感じ取り、利用者に合わせて敏感に反応します。
Oculus Quest2
「Oculus Quest2」は前モデルである「Oculus Quest」のスペックを強化したモデルです。通常、新しいモデルになると値段が上がりますが、このモデルは前モデルよりも安くなっています。さらに、重量も前モデルよりも約70グラム軽くなり、頭にかかる負担を軽減しているのです。「Oculus Quest2」の魅力はパソコンやゲーム機器につなぐことなく、単体で使えることにあります。そのため、大きく動き回るようなゲームも配線を気にせずに使用することが可能です。独自の専用コンテンツも充実して、1台あれば飽きることがありません。また、1台の「Oculus Quest2」に複数のアカウント登録が可能で、それぞれ使い分けることができます。家族で使用する場合も1台あれば十分です。
Pimax VISION 8K X
「Pimax VISION 8K X」はネイティブ8Kモードとアップスケール8Kモードの2つのモードが使用可能です。ネイティブ8Kによって、高画質な動画を見ることができます。アップスケール8Kモードはネイティブモードよりも画質は落ちるものの、接続するパソコンのGPUの負担が減らせるというメリットがあります。さらに驚くべきはその視野角です。なんと200度もあり、かなり広い範囲で見ることができるのです。そのため、ドライビングゲームやフライトゲームを行うのにぴったりでしょう。
HTC VIVE Pro Eye
「HTC VIVE Pro Eye」はレンズにLEDセンサーをつけることで、装着した人の目の動きを分析します。これによって、目がコントローラーのようになり、ゲームプレイ中にすばやく反応するのです。視野角も110度で見える範囲も広く、高画質の動画を楽しめます。ハイレゾ対応オーディオで聴覚でも楽しめるようになっています。さらに、顔に接触する部分のクッションを増やすことで顔にかかるストレスも減らしています。
自分に最適なVRゴーグルを見つけよう
以上、VRゴーグルの選び方のポイントをはじめ、おすすめのモデルの特徴を紹介しました。興味のあるモデルが見つかったでしょうか。3D映像をよりいっそう楽しみたいのであれば、自分に最適なVRゴーグルを選ぶことが大切です。デバイスが使用可能かをはじめ、ピント調整機能の有無などをあらかじめ確認するようにしましょう。